サンライズ出雲ノビノビ座席の乗り心地と予約のコツ完全ガイド

日本に残された最後の定期寝台特急「サンライズ出雲」。その中でも、寝台料金不要で横になれる「ノビノビ座席」は、旅費を抑えたい方にとって非常に魅力的な選択肢です。
しかし、実際に乗ってみると「思ったより硬かった」「隣との仕切りがない」など、事前に知っておきたいポイントがいくつもあります。個人的に何度かノビノビ座席を利用した経験から言えるのは、事前の準備と座席選びで快適さが大きく変わるということです。
この記事では、ノビノビ座席の料金・設備・予約方法から、実際の寝心地を改善するコツまで、乗車前に知っておくべき情報をすべてまとめました。
この記事で学べること
- ノビノビ座席は寝台料金不要で約15,000円台から東京〜出雲を移動できる
- 上段・下段・角席の違いで快適さが大きく変わる理由
- e5489を使えば座席位置を事前指定して予約できる
- カーペット敷きの床は想像以上に硬く、マットや寝袋の持参が快眠の鍵になる
- 隣席との仕切りがないため、プライバシー対策が必須
ノビノビ座席とは何か
まず基本的な部分を整理しましょう。
ノビノビ座席は、サンライズ出雲・サンライズ瀬戸に設置されている「普通車指定席」に分類される座席です。つまり、寝台車両ではありません。乗車券と指定席特急券だけで利用でき、寝台料金が一切かからないのが最大の特徴です。
「座席」という名前ですが、一般的な電車の座席とはまったく異なります。カーペット敷きのフラットなスペースが一人分ずつ用意されており、横になって過ごすことができます。広さはおよそ一畳(約1畳)ほどで、大人が足を伸ばして寝転がれるサイズです。
設置されているのは5号車と12号車の2両。車内は2段構造になっており、下段がA席・B席、上段がC席・D席という配置です。
料金体系と他の座席タイプとの比較

ノビノビ座席の料金は、東京〜出雲市間でおよそ15,480円〜15,620円です。これは乗車券+指定席特急券の合計金額であり、追加の寝台料金は発生しません。
同じサンライズ出雲には、シングル(個室B寝台)やソロ、サンライズツインなど複数の寝台タイプがありますが、それらは寝台料金が別途必要になります。
サンライズ出雲 座席タイプ別料金の目安(東京〜出雲市)
ノビノビ座席は最安の寝台個室と比べても約6,500円ほど安く、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。ただし、個室ではないため、プライバシーや快適さの面では当然トレードオフがあります。
車内設備と座席の詳しいレイアウト

2段構造の配置
ノビノビ座席の車内は、通路を挟んで左右に2段ベッド式のスペースが並んでいます。各段に横一列で複数の区画があり、番号で管理されています。
下段のA席・B席は、通路からそのまま入れるため乗り降りが楽です。上段のC席・D席は短いはしごを使って上がる必要がありますが、その分、通路を歩く人の視線が気になりにくいという利点があります。
各スペースの広さと設備
一人分のスペースは約1畳のカーペット敷き。床は固定されたボード(板)の上にカーペットが敷かれた構造です。
備え付けの設備は以下の通りです。
ノビノビ座席の備え付け設備
特に注意したいのが、隣の席との間に仕切りがないという点です。頭側には低いパーティションがありますが、体の横方向は完全にオープン。通路側はカーテンで遮れますが、窓側の仕切りも最小限です。
寝台個室のような完全なプライベート空間を期待すると、少しギャップを感じるかもしれません。
実際の寝心地はどうなのか

正直にお伝えすると、カーペットの下は硬い板なので、寝心地は「硬め」です。
多くの利用者が「背中が痛くなった」という感想を持っています。これはノビノビ座席の構造上避けられない部分です。
ただし、以下の対策でかなり改善できます。
快適に過ごすための持ち物リスト
経験上、以下のアイテムを持参すると寝心地が大きく変わります。
必須レベルのアイテムとして、まず薄手のマットやエアピロー。キャンプ用の折りたたみマット(厚さ1〜2cm程度)があるだけで、腰への負担が全然違います。次に、枕カバーは備え付けですが枕本体がないため、エア枕やタオルを丸めたものを用意しましょう。
あると便利なアイテムとしては、薄手のブランケットや大判ストール、耳栓、アイマスクが挙げられます。車内は空調が効いていますが、体感温度は人それぞれ。また、隣席との仕切りがないため、周囲の物音が気になる方は耳栓があると安心です。
おすすめの座席位置と選び方
ノビノビ座席は「どの番号を取るか」で快適さが変わります。
角席(壁際)が最も人気
最も人気が高いのは、1A・1C・7B・7Dといった角のポジションです。これらは片側が壁になっているため、隣に人が来るのは一方向だけ。プライバシーの面で圧倒的に有利です。
下段(A・B席)は乗り降りが楽で、荷物の出し入れもしやすいのがメリット。一方、上段(C・D席)は通路からの視線が届きにくく、落ち着いた雰囲気で過ごせます。
上段と下段の選び方
下段(A・B席)のメリット
- 乗り降りが簡単で体への負担が少ない
- 荷物の出し入れがしやすい
- トイレや車内散策に行きやすい
- 天井が高く開放感がある
上段(C・D席)のメリット
- 通路を歩く人の視線が気にならない
- プライバシー感が高い
- 窓からの車窓風景を楽しめる
- 静かに過ごしやすい傾向がある
個人的には、荷物が多い方や夜中にトイレに行く可能性がある方は下段、とにかく静かに過ごしたい方は上段をおすすめします。
予約方法と確実にチケットを取るコツ
ノビノビ座席は人気が高く、特に週末や連休は発売直後に完売することも珍しくありません。
基本の予約ルール
サンライズ出雲のきっぷは、乗車日の1ヶ月前の午前10時に一斉発売されます。みどりの窓口やJRの予約サイトから購入可能です。
e5489を活用した座席指定予約
JR西日本の予約サービス「e5489」を使うと、座席位置を自分で指定して予約できます。これは非常に大きなメリットです。
みどりの窓口では「ノビノビ座席の下段希望」程度のリクエストはできますが、具体的な番号指定は難しい場合があります。e5489なら、空席状況を見ながら1A、7Dといった具体的な位置を選べるため、先ほど紹介した角席を狙いやすくなります。
サンライズ出雲の予約全般について詳しく知りたい方は、予約の流れやキャンセル待ちのコツもまとめていますので参考にしてください。
e5489に会員登録
JR西日本のWeb予約サービスに無料登録。クレジットカードの登録も済ませておく
発売日の10時にアクセス
乗車日1ヶ月前の10:00ちょうどにログインし、サンライズ出雲を検索
座席位置を指定して購入
シートマップから希望の座席番号を選択。角席(1A、1C、7B、7D)を優先的に狙う
取れなかった場合の対処法
発売直後に取れなくても、諦める必要はありません。キャンセルが出ることは意外と多く、特に乗車日の1〜2週間前にキャンセルが増える傾向があります。こまめにe5489や駅の窓口で空席を確認してみてください。
出雲到着後の観光プラン
サンライズ出雲は早朝に出雲市駅に到着します。到着後すぐに出雲大社の観光を始められるのが、夜行列車ならではの魅力です。
朝の清々しい空気の中で参拝する出雲大社は格別です。参拝後は出雲そばで朝食をとるのも良いですし、少し足を伸ばして稲佐の浜まで行くのもおすすめです。
ノビノビ座席を利用する際の注意点
荷物の置き場所
ノビノビ座席には専用の荷物棚がありません。大きなスーツケースは自分のスペース内に置く必要があり、窓側に寄せて配置するのが一般的です。あまり大きな荷物を持ち込むと、寝るスペースが圧迫されてしまうため、荷物はできるだけコンパクトにまとめることをおすすめします。
周囲への配慮
仕切りのないオープンスペースのため、いびきや寝返りの音、スマートフォンの光などが周囲に影響しやすい環境です。消灯後はスマートフォンの画面輝度を最低にする、イヤホンを使うなど、基本的なマナーを守りましょう。
よくある質問
ノビノビ座席にコンセントはありますか
ノビノビ座席の各スペースにはコンセントが設置されていません。長時間の乗車になるため、モバイルバッテリーを持参することを強くおすすめします。一部の共用スペースにコンセントがある場合もありますが、確実ではありません。
ノビノビ座席は子ども連れでも利用できますか
利用は可能です。ただし、隣席との仕切りがないため、小さなお子さまが寝返りで隣のスペースに入ってしまう可能性があります。壁際の角席を確保し、お子さまを壁側に寝かせるなどの工夫が必要です。なお、未就学児は大人1名につき1名まで無料(席なし)ですが、ノビノビ座席で1つのスペースに大人と子どもが寝るのはかなり狭いです。
シャワーは使えますか
サンライズ出雲にはシャワー室がありますが、利用には別途シャワーカード(330円)の購入が必要です。カードは車内の自動販売機で購入できますが、数量限定のため早めに確保しましょう。お湯が出る時間は約6分間です。
ノビノビ座席と個室寝台、どちらがおすすめですか
予算を抑えたい方、列車旅の雰囲気を味わいたい方にはノビノビ座席がおすすめです。一方、しっかり睡眠を取りたい方、プライバシーを重視する方は個室寝台のほうが満足度は高いでしょう。個人的には、初めてのサンライズ体験であれば一度ノビノビ座席を試してみて、次回以降に個室を検討するのも良い楽しみ方だと思います。
当日券で乗ることはできますか
空席があれば当日でも購入可能ですが、ノビノビ座席は人気が高いため、当日に空いていることは稀です。特に金曜日発や連休前は、発売日当日に完売することも多いです。確実に乗りたい場合は、1ヶ月前の発売日に予約することをおすすめします。
まとめ
サンライズ出雲のノビノビ座席は、約15,000円台で東京から出雲まで横になりながら移動できる、唯一無二の交通手段です。寝心地の硬さや隣席との仕切りのなさといった課題はありますが、マットの持参や角席の確保など、事前の準備次第で快適さは大きく向上します。
e5489での座席指定予約を活用し、できれば1A・1C・7B・7Dの角席を狙ってみてください。そして、薄手のマットと耳栓を忘れずに。
夜の東京を出発し、朝の出雲に降り立つあの感覚は、飛行機や新幹線では味わえない特別なものです。出雲大社のお参りと合わせて、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。